ウォルトディズニー

いい言葉がいい人生をつくる 斎藤茂太

ウォルトディズニーの人生も最初から成功の一色に塗りつぶされていたわけではない。
カンザスシティーの田舎に生まれ、絵が好きだということだけを武器にハリウッドに出てきたものの、仕事はない。
だが、ウォルトはへこたれなかった。
雇ってくれないなら自分で会社をつくればいいじゃないかと考えた。
そして、ようやくアニメ映画でヒットを飛ばして会社を軌道に乗せた。

だが、映画は何回か見ればそれで終わりだ。
再生産ができない。
苦心の末に生み出したキャラクターたちは、上映後しばらくたてば寿命を終える他はない。
いくら新しいキャラクターをつくっても、制作にかかる時間よりも、人々が飽きてしまうほうがずっと早い。
そうした事情から、会社がつぶれかけるという苦難が起きた。

その時彼は、アニメの主人公たちをいろんなグッズに生まれ変わらせるキャラクタービジネスという、ま ったく新しいビジネスモデルを思いついたのである。
この構想は想像以上にヒットした。
世界中のあらゆる業種から使用依頼がひっきりなしに寄せられ、その著作権使用料が現在のディズニー王国の反映の基盤になっている。

でも彼は、それで満足しなかった。
次はキャラクターが動く空間をつくろうと思いついた。
それが現在のディズニーパークの原点だそうだ。

行き詰ったら、裏返したり、上下をひっくり返したりして、物事をあらゆる方向からチェックしてみよう。
そうすれば、必ず、新しい取っ手が見つかるずだ。