ひとり力

辛い気持ちが消えていく 斎藤茂太

ちょっと頑張れば克服できることなのに、それができずに、すぐにヘナヘナとなってしまう人がいる。
つらいことに耐えられずに「もうダメ」と、すぐにギブアップする。
そういう人はストレス耐性に弱いのだ。
このストレス耐性を鍛えておく必要があるのだが、その1つの方法が「ひとりになること」に慣れておくことだ。
つらい気持ちを乗り越えていくのは、結局は誰も助けてはくれないし、あなた自身が一人でやらなければならない。
その時に、この「ひとり力」がない人は、「つらい気持ち」に振り回されて、自分を見失ってしまうことにもなる。

一人になることに、ある種の不安を感じる人もいる。
時間が空くと、すぐにスマホを取り出して、メールが入っていないかをチェックする。
誰からもメールが入っていないと、自分一人が友人たちから仲間はずれされたように思えてきて、とても不安になるという。

一人でいることは、考えているほど恐ろしいものではない。
一人でいるから、できることもたくさんある。
一人でいることに、少しずつ慣れていくことだ。
この「みんなといる」と「一人でいる」のバランスを上手に取ることである。