この世を去る前に

今日が人生最後の日だと思って生きなさい 小澤竹俊

ワンマンだった社長さんは「自分の人生はいったい何だったのだろう」「自分の生き方は正しかったのだろうか」と考えるようになり、私にこう言いました。
「私は心のどこかで、自分はみんなから好かれている。信頼されていると思っていました。でもそれは驕りでした。みんなが信頼していたのは私ではなく、私が動かしている仕事やお金、それだけだったのです。あれだけ飲んで食べて語り合って、分かりあえるところがあると思っていましたが・・・こんなに寂しいことはないですね」

大切に育ててきた会社すらも失うことになってしまい、彼は「せめて子供には人間関係の大切さをちゃんと伝えたい」と思ったそうです。

この世を去る前に、本当に大切なこと、お子さんに伝えたいことが分かり、気持ちに変化が訪れたのでしょう。
その患者さんはとても穏やかな表情になっていました。