がん細胞の超能力

私はガンで死にたい 小野寺時夫

がん細胞は正常細胞にない「超能力」をいくつも持っています。

正常細胞が分裂すると古い細胞はすぐ死滅しますが、がん細胞は分裂して増えた細胞すべてが生き続けます。

がんの塊が大きくなると、正常細胞に命令して栄養補給のための血管を作らせます。

がん細胞は正常細胞に比べて栄養不足にも強く、いよいよ不足すれば正常細胞から栄養を奪います。栄養を多く取ると、がんの成長も速まるのではないかと心配する人がいますが、がん細胞は栄養が足りなければ正常細胞から奪いますので、食生活を急に変えてもがんの増殖には関係なく、患者さんの好きなものを食べてもがんの進行が速まることはないのです。

抗がん剤や放射線治療を行うと、万能幹細胞に似た耐性(抗がん剤や放射線に強い)遺伝子を持つ新しいがん細胞を急いで作ります。
抗がん剤が1度効いてもすぐ効かなくなるのはこのためです。
同じ部位に放射線を再度かけられない場合が多いのは、放射線に強い細胞に変わるのに加え、放射線が一定量超えると正常細胞も傷害されるためです。