自己主張できるのも在宅医療

やはり死ぬのはガンでよかった 医師 中村仁一

ガンは痛むのが相場だと受け取られています。
しかし、私は、穏やかなガンの自然死を100例以上体験しています。
私の場合、今でも痛みはないので、このまま最期まで痛まないのではないかと思っています。
ただ、今は少し動くと生じる呼吸困難には閉口 しています。
体重は20キロ近く減りましたが、食べ物の味は分かりますし、食欲もあります。
ただ、肝臓が腫れているようで、訪問診療医は肝臓にがんが転移しているはずだと、エコー検査をして確認しようと提案されましたが、断りました。

なぜなら、それが分かっても私には何の利益をもたらさないからです。
ただ、こういう主張ができるのも在宅医療をしているからです。
なぜなら、在宅医療は患者が主役だからです。
病院では、こうはいきません。
入院して自己主張などしようものなら、退院を迫られますし、通院でも機嫌を損ねたら、ちゃんと診てもらえなくなると忖度し、口をつぐんでしまうのが常だからです。