自信は反復練習によって生まれる

「手紙屋」 喜多川泰

見たこともない数学の問題にぶち当たった時や、英語の長文問題を解こうとするとき、たいていは「その問題が解けるようになること」「その英文が何を言っているのかを理解できるようになること」を取り敢えずの目標にしがちです。
でも本当に勉強として意味があるのは、その問題が解けるようになった後、その問題をどう使うかです。
その英文を理解した後、その英文を使ってどうやって自分を磨くのか、それを考えるのが「勉強」ということなんです。
解けるようになる前、読めるようになる前は、実は本当の勉強ではありません。
それは準備なのです。

ピアノの発表会に向けて練習しているとします。
発表会というのは、自分のそれまでの成果を披露する場所です。
おそらく、相当緊張しますよね。
発表会が近くなると、もうソワソワして、他のことが手につかなくなるなんてこともあると思うんです。
発表会の舞台裏で、自分の出番を待っているとき、もう緊張でどうしようもなくなって、逃げ出したくなる時はどんな時ですか?
あなたの答えはきっとこうでしょう。
「あまりしっかり練習していなくて、自信がないとき・・」

逆に、緊張は避けられないとしても、自分の順番が楽しみなときはどんな時でしょうか?
「これ以上ないほど、しっかり練習をしたとき!!」
つまり、緊張した状態で頼りになるのは、自分がどれだけ練習をしてきたかということだけです。
絶対の自信というのは、反復練習によって生まれます。
頭が真っ白になっても、身体が勝手に動く状態まで繰り返し練習してこそ、何ともいえない「安心感」、つまり「心のゆとり」を持つことができるのです。