胃ろう

70歳からの選択 和田秀樹

近年、胃ろうは過剰な延命治療だというイメージから、患者や患者の家族、さらに医者からも敬遠されがちになっています。
というのも、栄養状態が確保される一方で、誤嚥性肺炎がないため、胃ろうによって2年~3年、下手をすると10年くらいは生きることが可能になるのです。
患者や患者の家族からすると、苦しい状態が長く続くことになるし、ただ生きながらえるだけという悪いイメージがあるため、断る人が多くなっています。

一般的に胃ろうは、寝たきりになってからすることが多いのですが、足腰に問題のない人なら、胃ろうをしながら歩くことも可能です。
結局は、自分がどうしたいのか、まだやりたいことがあるのかどうか、まだ人生を楽しめるかどうか、という本人の意思がもっとも重要なのです。