穏やかな最期のために 4

日本人の死に時より 医師の書

入院した男性は、ステロイドや抗生物質を投与され、強心剤の点滴もされ、苦しいのに死ぬに死ねない状態で2週間を過ごしたのでした。
途中で男性の意識がはっきりしたとき、「帰る!!」と、叫んで暴れたそうです。

奥さんは、男性を自宅に連れて帰りたかったのですが、親戚が反対しました。
「死にかけているのに、家に帰るなんて無謀だ、どうして最後まで治療をしないんだ」、そう親戚に言われると、奥さん一人ではどうしようもなかったそうです。

ふだん遠くにいて現実を知らない人の善意は、何と怖いものでしょう。