治癒率70%

いのちの言葉 ガン患者を支える会 竹中文良

私は、ガンになって治療を受けるときには、死の恐怖や不運の嘆きなど、いろいろなことが一斉に押し寄せてくるのだろうと考えていました。
ところが、いざ自分がなってみると、確かにお腹を切られる恐怖などはありますが、それほど深刻な悩みではなかったんですね。
ですから、手術が終わり、さあ、これで治ったと大きな喜びをもって病院を出たことを覚えています。

ところが、しばらくして「待てよ」となる。
手術が終わったら、もうこれでいいと思いながら帰ってくると、今度は再発という問題が出てくるわけです。
私は、友人の主治医から再発率が30%前後、だから70%の確率で5年以上生きられるであろうと聞かされていました。
私も患者さんに対しては、「70%助かるんだからよかったじゃないですか」という言い方をよくしていたんですが、しかし、自分の身になって考えると、「それじゃあ、30%に入ったらどうするんだ。5年以内に死ぬのか」と、そんなことを考え出すと非常に不安になりました。