残る桜も散る桜

「散る桜。残る桜も散る桜」という良寛の辞世の句があります。今まさに命が燃え尽きようという時に、たとえ命が長らえたところで、それもまた散りゆく命に変わりはないと言い切っています。

「あなたは何のために生きているのですか?」「何であなたは楽しいことを探しているのですか?」「あなたも必ず散っていくのに何を苦しんでいるのですか?」と訴えているようです。

心臓移植をして命を長らえた人が、残りの人生をギャンブルに明け暮れたという実話があります。「あなたは何のために命を長らえたのですか?」と、良寛が現存すれば、きっとその人に尋ねる事でしょうね。

「人生は死ぬまでの暇つぶし」という言葉があります。この言葉を静かに味わっていると、人生に答えを求めることは無意味な気がしてきます。また人生を悲観することも無駄なような気がしてきます。

どうせ人生の暇をつぶすのなら「あなたに会えて良かった・・」と言われるような生き方を目指したくなります。

散りゆく間際に、満足して笑顔で逝けるような気がしますから。