残された時間が短いことが分かった途端

今日が人生最後の日だと思って生きなさい 小澤竹俊

他人と比べることが、自分を客観的に見つめる上での指針になったり、あの人には負けたくない、あの人のようになりたいといった気持ちが、前向きに頑張るための原動力になったりすることもあります。
ただ、比較の価値観によって劣等感や苦しさばかりが増したり、自分の価値に気づけなかったりするようであれば、それこそ「今日が 人生最後の日だ」と想像してみるとよいかもしれません。

死を目前にすると、比較の価値は全く意味を持たなくなります。
どれほど社会的立場があろうと、財産があろうと、才能があろうと、死を逃れることはできないし、それらが役に立つわけでもありません。

他人よりいい暮らしがしたい、他人よりも幸せな人生を送りたいと必死に努力してきた人が、病気であること、残された時間が短いことが分かった途端、将来の夢もアイデンティティも失い、自分の人生は何だったのだろうと悩み始めます。
しかし、人が自分にとって本当に大切なもの、本当に自分を支えてくれるものに気づくのは、まさにその時です。