明日

ホスピス医の著書から

患者さんたちが、人生の最終段階で気づく大切なものがあります。
それは死ぬためではなく、患者さんが今を生きていくための支えになります。

命が終わりかけたとき、その人の生きた意味が分かります。
死が目前に迫ったとき、多くの患者さんは
「自分には時間がない・・」
「明日は来ないかもしれない・・」
という思いに苦しみます。
人は普段、明日があると思っているからこそ、夢や希望を抱いて生きていくことができます。
「明日が来ない」というのは、究極の絶望なのです。

しかしそのような中で、人はただ苦しむのではなく、大切なことを学びます。
人生最後を穏やかな気持ちで過ごすには、何が必要なのかを真剣に考えるようになるからです。
そして、自分にとって一番大切なことに気づくのです。