支えられている事実に気づくこと

今日が人生最後の日だと思って生きなさい 小澤竹俊

誰かの支えになろうとしている人こそ、支えを必要としている。
これは以前、私の講演「いのちの授業」を聴いた高校生が感想文を書いてくれた言葉です。
その言葉通り、誰かを支えようとしている私こそ、実は一番、支えを必要としているのです。

しかし、もし無力感に悩まされることがなければ、自分が多くの人に支えられてもらっていることに気づかなかったかもしれません。
人の力になっている、役に立っているという手応えを感じている間は、その手応えが自分を支えてくれるからです。
物事がうまくいかないとき、壁にぶつかったとき、そして身体が思うように動かななくなったとき、人生の残り時間がわずかであると知ったとき。
そんな苦しいときにこそ、人は本当の自分の姿を知り、自分を支えてくれているものの存在を知るのです。

人は本来、とても弱い生き物です。
でも誰かと互いに支え合うことで、強くなることができます。
はた目には多くの人を支えているように思える人にも、自分は1人でがんばってきたと思っている人にも、直接的、間接的に支えとなっている人やものが必ず存在するはずです。