抱きしめてあげることだけ

人生を楽しむための法則 小林正観

私の長女は障害児です。
この子が生まれたとき、私たち親が死んだあとに、この子はどうやって生きていくのだろうかと心配しました。
この子を一人前に育てないといけないのではないか。
この子が社会の中で一人で生きていけるように教育をしなければ、この子は生きていけないのではないか、と思ったのです。

ところが、よく考えてみると世の中には行政が存在し、専門的なノウハウを持った施設や人手もあります。
親を亡くした障害児を、社会は一人では放り出したりはしないのです。
そう思ったら、自分がしっかり生きていかなければとか、この子を必死の思いでちゃんと育てなければとか、自立させなければという気持ちを改めてもいいのかもしれないと思ったのです。

親ができることは、この子を一生懸命抱きしめてあげることです。