投資心理

投資、それは心の葛藤を伴う営みです。
数値データを重視する経済学は、すべての人間が利潤を最大化するように行動すると規定します。

ここで実験をしてみます。
A 「無条件で100万円をもらえる」
B 「コイン投げで表なら200万円、裏ならゼロ」
あなたは、どちらを選びますか? 
多くの被験者が選ぶのが「A」です。

次に、あなたには200万円の借金があります。その場合、次のどちらを選択しますか?
C 「無条件で負債を100万円減額できる」
D 「コイン投げで表なら借金を全額棒引きできるが裏ならそのまま」
この場合、多くの被験者が選ぶのが「D]です。
最初の設問の場合、多くの被験者は「堅実」さを選択します。
ところが、借金がある場合には「一か八か」のギャンブルに出る傾向があるようです。

「借金=損失」は脳内で恐怖体験として処理されるため、確率50%でも損を避けられるなら借金棒引きの可能性に賭けようと思うのだそうです。

人は元本へのこだわりが大きいのです。
そしてそこから利益と損失の大きさに反応しますが、「10万円の利益で得られる喜び」より、10万円の「損で被る悲しみの方が2倍も大きい」のだそうです。

ゆえに私たちは、少しでも顧客の有利になる商品を選択し、有効なアドバイスを心がけるべきなのですね。