成功の母は失敗から

いい言葉がいい人生をつくる 斎藤茂太

失敗すれば誰だって叱られる。
失敗した上に叱られる。
2つのうんざりが重なるのだから、つらい。
つらいけれども、成功の母は「失敗」以外にない。
つらさを、よいしょと乗り越える気力が必要だ。

その気迫が最近薄れつつあるのではないだろうか。
先日も、出社拒否に陥った若いビジネスマンと話しをしていると、新規開拓を命じられたが、まだ契約が取れない。
課長に、毎日何をやっているんだ、もっとがんばってこい!と大きな声で言われ、それ以後、会社に行こうとしても、どうしてもその気になれないという。
人は失敗する動物なのである。
失敗したマイナス体験から多くのプラスを学習し、次の一歩につなげていくのだ。
そのステップから逃避してどうすると言いたい。

人を管理する立場にある知人からは、若い社員には絶対大丈夫だという仕事しか与えられないという嘆きを聞く。
うっかり難題を与えて失敗すると、落ち込みが激しく、会社に出てこなくなったりしてしまうかららしい。