悟り

仏教者は言います。
人生を歩む中で起こる出来事そのものは、不幸ではありません。
仕事がなくなれば探せばいいし、病気になれば治療すればいい。
治らない病気の時は、残りの人生を明るく生きていればいいのだと。
でも口で言うほど簡単ではありません。
病気になれば病気そのものより、精神が落ち込んでいくからです。
ということは、やはり病気自体が不幸なのではありません。
問題は、私たちの心の問題だということです。

人間は、ものごとを有りのままに見ていません。
「こうあって欲しいなあ」という、自分のフィルタを通して見ているのです。
嫌いだと思ったら、何でも悪く見えます。
好きなものは「あばたもえくぼ」のように、欠点すらよく見えてしまいます。

嫉妬というのは、相手の優れた点を認めない気持ちです。
嫉妬は、自分を否定することなので悲観主義だと言われています。
ケチな人は、自分の持ち物が減っていったらどうしようと心配しています。
ケチな人は、他人との関係を否定していく傾向にあるといわれています。
しかしこの世では、他人と関係なくして生きていけません。
人の役に立つことが、何よりの幸せなのだと気づいてください。
相手の喜び、安らぎが自分のものになるのですから。

仏教者は、こう言って私たちを諭します。