心の在り方は重要

いつでも死ねる 帯津良一

5年生存率が30%だと言われて落ち込んでいる患者さんがいました。
しかし、落ち込んだままだと免疫力が低下して、間違いなく治らないほうの70%に入ってしまいます。
ここは大きな分かれ道でもあります。
さて、どうアドバイスをすればいいかと思案していると、一人の患者さんのことがパッと頭に浮かびました。
彼はにこにこしながら、こう答えたのです。
「5年生存率が30%と聞いて、10人の内3人しか助からないとがっかりしました。でもある時思ったのです。100人だったら30人か。少ないよな。1000人だったら300人だよな。100万人だったら30万人だ。1億人だったら3000万人も助かるじゃないか。そう思ったら、自分も30%の中に入れる自信が出てきました」
あきらめないというのは、ただ「あきらめないぞ」とがんばるのではなく、ちょっと視点を変えてみるということが大切なことです。
この患者さんは、5年生存を楽々クリアして、今でも元気に気功に励んでおられます。

ガンの治癒に心の在り方がとても重要な意味を持っていることは、もう私にとっては確信となっています。
そして、心の在り方の1つである「あきらめない」気持ちは、間違いなくプラスに働きます。
ところが、あきらめない強い気持ちを持ってガンに立ち向かっている人は経過がいいかと言えば、決してそうとは限りません。
私は、迷路に迷い込んだような気持になってしまいました。
そんな時、カール・サイモント博士というガンの心理療法の大家が病院を訪問してくれました。