役割分担

がばいばあちゃんの口癖 島田洋七

私が子どものころは。1クラスに55人の生徒がいました。
そのクラスの中で私は頭の悪い方だったけれど、ばあちゃんに叱られたことはありませんでした。
「クラスに55人おって、全員が頭がええことはないから、大丈夫や」といわれたもんです。
確かに55人全部が学級委員長をやっていて、みんなが東大に行って、みんなが総理大臣になったら、誰が国民をやるんですか。
ばあちゃんは言っていました。
「頭がええ人だけでも、アホばっかりでも、世の中はうまくいかん。両方おるからええんや」
頭のええ人が設計士になったとしても、図面ばかり描いていたって、それだけではビルが建ちません。
逆に、アホがむやみに穴ばっかり掘ってても、ビルは建ちません。
頭を使う人、手先の器用さを使う人、腕力や体力を使う人、それぞれがそれぞれに役立っています。
みんなで役割分担をしてるんです。
そのように考えれば、世の中にいらないような職業はありません。