幸せという現象

人生を楽しむための法則 小林正観

何かを手に入れたら幸せになる、ということではなく、世の中には幸せという現象がどこにも存在しません。
万人が万人とも「これが幸せ」といえる現象や事物、出来事を持ってくることはできません。
幸せという現象が存在しないのに、なぜ「幸せ」という言葉があるのでしょう。
それは、「私がこれを幸せだと思った瞬間に、その人にとってのみ幸せな現象になれる」ということなのです。

私たちはなぜ、幸せというものを感じにくくなったのでしょう。
それは、学校教育の中で比べあうことしか教わらなかったからです。
比べあう世界の中で、自分の方が上にいて、他の人より抜きんでることが幸せと思わされてきたからです。

競い合うこと、比べあうこと、争うこと、という価値観が自分の中から取り払われたときに初めて、幸せは手に入ります。
幸せという名の現象が存在するのは、「私」がそう感じたときだけなのです。