子どもの心の成長

子どもの心はどのように成長していくのでしょうか。
それは、依存と自立の繰り返しです。
言葉を変えれば、甘えと反抗の繰り返しになります。
この二つの間を行ったり来たりしながら、次第に自立に向かっていくのが子どもの心です。

赤ちゃんのときは、完全に親に依存します。
そこで子どもは、安心感を得るのです。
十分な安心感を得ると、そのうち子どもにはもう一つの気持ちが芽生えてきます。
それが不自由です。
十分安心感を得た子どもは、次第に縛られている、不自由だと感じ、何でも自分でやりたくなります。
これが意欲です。
そこで子どもは、しばらく自由を満喫します。
ところが、自立した子どもの心にもう一つの気持ちが生まれます。
それが不安です。
不安が強くなると、子どもは安心を求めて「おかあさ~ん」と、依存の状態に戻ってくるのです。
そこで、また十分な安心感をもらうと、また不自由になってきて「自分でやる!」と言い出して自立に向かうのです。

ここが一番大切なときなのです。
子どもが「おかあさ~ん」と頼ってきたら、「よしよし」と受け入れてあげます。
「自分でやる!」といったら、「じゃあ、やってごらん」とやらせてみるのです。
ところが実際は、「おかあさ~ん」と来ると、(また忙しい時にこう言ってくるものですから)「あんた、もう六年生でしょ。その位自分で考えなさい。おかあさん、今忙しいんだから!」と、突き放してしまうのです。
反対に「自分でやる!」というと、「あんたまだ小学生なのに、できるはずないでしょ!」と否定してしまうのです。