夢は幸せになるための1つの手段にすぎない

夢をかなえるゾウ 水野敬也

現代社会において、夢を手放すことは容易ではありません。
特にその夢が自分にとって、かけがいのないものであればあるほど、手放すときには不安や痛みが伴うことになります。
しかしその夢が、自分を本質的に幸せにしてくれないのだとしたら、手放す方法を学ぶ必要があります。
なぜなら、夢は手段だからです。
すべての人の目的は幸せになることであり、夢を叶えることは一つの手段にすぎません。

人間というものは、一度手に入れたものを取り上げられると、めちゃめちゃ不幸に感じるものです。
ないから苦しいのではなく、奪われたから苦しいのです。
それは、家族と幸せに生きられる未来が奪われる時も同じ感情です。
夢を叶えたいという気持ちの根っこにも、その感情がある場合が多いのです。

「自分は何かすごいことができるし、素晴らしい人間にもなれる」
人生の早い段階で焼き付いた理想像が、何らかの形で奪われてしまうと、理想の自分を追い続けようとします。
自分が思い描いた未来は実現できないかもしれない。
でも今、あなたは実現できない未来だけを見ていませんか。
でもあなたには、すでにたくさんの夢を実現してきたはずです。
未来の夢に縛られすぎて、これまで叶えてきた夢を忘れてしまっているのです。

夢を手放すための課題は、叶えてきた夢を思い出すことかもしれません。