医療にも思いやりを

いつでも死ねる 帯津良一

私の病院には、余命を宣告された方がたくさん来られます。
その多くに人が、怒りを胸中にため込んでいます。
どういう怒りかというと、「息子のような若い医者に、あと1年しか生きられないと言われた。あんな若造に俺の命の期限を決められたくない」というようなものです。
多分、告知するときの主治医の態度が冷たかったのだろうと思います。

どんな気丈な人でも、余命を宣告されれば、がくっと落ち込んでしまいます。
気持ちが沈めば、免疫力も低下してしまい、ガンは更に進行することになります。
ここはもっと、医者の側が気をつかうべきところだと、いつも思います。

ガンは、治療の難しさから言えば横綱級でしょう。
ですから、どうしても進行ガン=死と決めつけてしまいがちですが、余命を宣告されるような状態であってもあきらめる必要なありません。
西洋医学という枠で考えれば方法がなくても、代替療法という西洋医学以外の治療法を見出そうとすれば、それこそ、星の数ほど治療法があり、その中には自分にピタッとあって、劇的な治癒が起こることもあるのです。