勲章

「大学に入ったらやりたいことはある?」と質問すると、「海外旅行に行きたい」「英語をマスターしたい」「彼女(彼氏)をつくりたい」など、大概の人はやりたいことがたくさんあると答えます。

次に「将来やりたいことがある?」と聞くと、多くの人は「まだ決まっていない」と答えます。

実は、2つの質問は同じ質問です。「大学に行く」のも「将来」も同じ未来だからです。
なのに「将来やりたいこと?」とは「自分がどういう仕事につきたいのか」という意味に変わってしまいました。
「将来やりたいこと」とは、「お金を稼ぐ」ということを抜きにして、ほんとうに自分がチャレンジしてみたいことのはずです。

「やりたいこと」というのは、「自分が人の役に立てると自信が持てること、それを通じて人に幸せにできると思えるものの中にある」と教えてもらったことがあります。

わたしの場合、郵便配達を13年やったあとに保険の営業をすることになりました。
そのとき思ったのが「今の仕事では『書留です。ハンコをお願いします』くらいしかお客さんと話したことがなかったのに、保険の販売などできるはずがない」という先入観でした。
それからずっと「どうやって保険を販売したらいいのだろう」ということばかりを考えてきました。

 でもお客さんがほんとうに求めているのは、「よい保険に加入したい」ということは当前ですが、「入院」「名義変更」「死亡」「解約」「借入」など、「困ったときのアフターフォロー」だということでした。

わたしは 雑用を頼まれるとうれしくなります。
「この人は私を必要としてくれているんだ!」と思えるからです。
アフターフォローを楽しそうにやっていると必ず言われる言葉があります。
「平山さん、死なないでね・・」です。
この言葉は、わたしの「勲章」になりました。