凛として老いるために

いつでも死ねる 帯津良一

あれを食べちゃいけないとか、これは身体に悪いとか、そんなことを考えて生きるのは窮屈です。
私は、凛として老いることをおすすめしていますが、私が見る限り、素敵に年を重ねている人は、食べたいだけ食べ、飲みたいだけ飲んでいます。
残念ながら、そういう人は少なくて、私はせっかく70歳とか80歳まで生きたのだから、そのご褒美として少しずつ羽目を外して、もっと自由になればいいのにと思えてなりません。

先日講演会に行ったら、昔の知り合いが聴きに来てくれました。
終わった後、少し世間話をしたのですが、そのとき「ところで、本当に休肝日はなくていいのかい?」と質問されました。
彼とは同い年でよく飲みました。
酒の好きな男です。
私は「休肝日なんか必要ない!」と彼に返答しました。
この歳になって休肝日などと言っているようではいけません。
とても凛として老いることはできません。
いくら健康に気をついけていても、交通事故や災害で死ぬかもしれません。
あまり、健康、健康と言っているのは、私には魅力的に見えません。

志を果たすには健康はとても大切なことです。
でも、志を果たさずに倒れたとしても、それはそれでいいじゃないですか。
本当に命がけでやっていたことなら、必ず、誰かがその志を引き継いでくれるものです。