内なる声

私たちは、人からの称賛や批判によって自分自身の価値を判断するように躾けられてきたような気がします。

そして今は、精神的な価値だけを追い求めて人生を送ることは難しい時代であり、人に認められるためには俗世間の中で生きていかなければなりません。

目に見えないものの中に「価値」があると分かっていながら、あっさりと大切なものを見逃し、無くても構わないと合理化したりしてしまいます。

普段の生活では、いつも時間に追われています。休憩時間もろくに取らないために、自分の「内面」と対話することもありません。
人は周囲の期待に導かれて生きていますが、不思議と歳をとってくると自分の「内なる声」が聞こえてきて「自分の価値観や方向性を見直してごらん」と囁いているのに気づきます。

それは人生に心のゆとりが生じてきたことでもありますが、人生の終点が見えてきたことによる、自分の人生の「集大成」をまとめておきたいという願望なのかもしれません。