介護保険制度

70歳からの選択 和田秀樹

「いつか体が不自由になるかもしれない」「寝たきりになるかもしれない」という不安が、「老後2,000万円必要」という強迫観念を後押ししていることは間違いないでしょう。
そこで大きな役割を果たすのが「公的介護保険」ですが、大雑把に言うと40歳以上の人が介護保険料を支払い、65歳以降、支援や介護は必要になった時に、給付やサービスを受けられる制度です。

今や介護保険の認定があれば、寝たきりになっても経済面の心配はほとんどないといえます。
だから、老後を心配して2,000万円を貯め込むために楽しい旅行やおいしいものを我慢するより、動けるうちにどんどん好きなことをやっておくべきでしょう。

現役時代に支払った税金は、老後に取り戻すという発想を見につけたほうがいいと思っています。
その方が、日本経済にとってもプラスです。
国からの給付で生活ができれば、2,000万円もの貯蓄は不要となり、経済も回ります。