人生

わたしの落書帳から

会社のために働いた。
家族のために働いた。
中年のおじさんたちは、みんなそう思った。
会社の目標を達成することが、仕事の目標であると誤解し、少しでも多くの給料を妻に渡すのが家族のために働くことだと錯覚した。
でも、仕事に邁進することが生きることだと思っていたので、家族にやさしい言葉の1つもかけてこなかった。

「何も言わなくても分かるだろう・・・」くらいの感じだ。
でも、定年が見えてくると、やがて去っていく会社のため、子供たちが独立した家族のために働く意味がなくなってきた。

妻と楽しく老後をと夢見てみたが、妻の心の中には、もう夫である自分の存在はいない。
はっと、一人ぽっちの自分に気づく。
頭の中は真っ白になり、これからの自分の生きる道を模索し始める。

何とか心を冷静に保ち、ここからが本当の人生の旅立ちだと自分を鼓舞する。