人に好かれようとせんでええ

がばいばあちゃんの口癖 島田洋七

人に好かれようと気にするから、疲れて暗い顔になるんです。
だから65歳を過ぎたら、人に好かれようとか思わんでええ。
好かれようとして無理をしても、好かれたりしません。
そんなことを気にして生きることが、アホみたいなもんです。

万人に好かれる人なんていません。
芸能人でも、一方には熱狂的なファンがいたとしても、あんなの好きじゃないと思っている別の人たちもおるもんです。
人様に迷惑をかけたわけでもないのに、周りから嫌われる筋合いは本来ないはずです。
ちょっと他の人たちと違う所があれば「あの人は変やな」と言われてしまったりしますが、それは変なのではなく個性というものです。

ばあちゃんは、絶対に人の悪口は言いませんでした。
「人の悪口を言うてもええけど、言うたら他の誰かから私も悪口言われるから言うてもしゃあない。人の悪口を言っても飯は食えんし、金も増えん。そんなら言わんほうがええ」
悪口は、結局、自分の鬱憤晴らしにしかなりません。
そんなヒマがあったら、悪口言う前に働け、というのがばあちゃんの考え方でした。
そうして一生懸命働いたら、疲れて夜すぐに眠たくなって朝が来ます。
人のことを悪く思っているヒマもなくなってしまうんです。