マギー史郎

人のご縁ででっかく生きろ 中村文昭

マジシャンのマギー史郎さんが、NHKの番組に出演されたときのことです。
この番組は、それぞれの世界のプロが母校の小学校へ行って授業をするというものです。
マギーさんはマジシャンですから、子どもたちに手品を教えたのですが、マギーさんが最初、子どもたちにさせたことは、自分の弱点を紙に書かせることでした。

マギーさんは小学生の頃、勉強は苦手、スポーツも苦手、ごくごく内気という目立たない子どもでした。
マジシャンを目指して上京してからも、不器用で失敗ばかりして、仲間内からも下手だ下手だと言われていました。

そんなる日、ネタがばれそうになって、ぽろっと本音が出てしまいました。
「僕もいろいろ大変なの・・・」
すると、お客さんがどっと笑ってくれたのだそうです。
マギーさんは、偶然にお客さんから受けるコツをつかんだのです。
それは、自分の弱点を正直に出してしまうことでした。
確かにマギーさんの手品には、ミスターマリックさんが持つようなカリスマ性はありません。
一生懸命やっているんだけれど、失敗しそうでハラハラ、うまくいくとつい、お客さんも一緒に喜んでしまう。
これがマギーさんの売りであり、彼だけが持っている立派な個性、人間力ともいえるのです。