パニック障害の症状

パニック障害、僕はこうして脱出した 円広志

パニック障害は、強い不安を症状とする精神疾患の1つで、1992年WHO(世界保健機関)で認知された、最近の疾病なのだ。
パニック障害は、何の前触れもなく襲われるパニックの発作から始まる。
発作はしばらくすると収まる。
さっきの不安は何だったのだろう、が、それだけにとどまらない。
その後、発作が再発するのではないかという予期不安に襲われ、症状が慢性化する。
それとともに、症状が発生した際、そこから逃れられない場面を想定して、自分の中にどんどん壁を作っていき生活範囲が限定されてしまう。
これを「広場恐怖」と呼ぶそうだ。

めまい、手足のしびれ、吐き気、息苦しさをともない、死ぬのではないか、発狂するのではないかという不安に駆られる。
体が思うように動かなくなったり、体の一部に痛みをともなったりすることもあるという。

患者は電車、飛行機、歯科、理美容、道路の渋滞など一定の時間そこに拘束されてしまう状況を極度に恐れる。
とりわけ、高速を疾走する乗り物に怖れを感じる。
新幹線の中で男性が発症し、車掌に助けを求め、たまたま乗車していた医師が駆けつけたケースもあるという。
この男性は、過呼吸を起こし、息ができなくなったそうだ。
医師の判断でビニール袋を口に当てて呼吸をしていたら、症状は治まった。
呼吸のし過ぎで血中酸素濃度が高くなり、不安を呼んだのである。