ツキとは

元気なときには家庭なんか顧みることなく好き勝手やっていた人も、余命いくばくもなくなると、最期は家族に「ありがとう」と感謝したり「苦労をかけて申し訳なかった」と詫びながら旅立つ人が多いようです。
私たちは自分の欲望の実現や快楽を目指すことよりも、それとは違う、何か別のものを目指したいと「心の奥」では願っているような気がします。

ツキがあるとは、素晴らしい人との出会いであり、運がいいとは、素晴らしい人との出会いが継続していること、と聞いたことがあります。
人は他人との関係の中でしか夢や願望を実現できないし、幸福感も味わえないからです。
お金や地位や名誉を重んじても、死に対してはほとんど役立ちません。
また人を大切にしていないと、自分の最期も大切にしてもらえません。

競争原理に基づいた成功は、自分だけを喜ばせる幸せです。
自分以外の人たちを喜ばせる親愛の原理が「人間的成功」です。
どちらを重視して生きるのかは本人の自由です。
競争に勝ったとしても、うれしいのは一時的ですし、一緒に喜んでくれる人はほとんどいません。
優越性というものは一時的なものですから、かならず自分が追い越され、ストレスに苦しめられるときがきます。
ストレスが大きければ、幸福感を味わうことは難しくなります。