ゴリラ

アメリカの心理学者がバスケットをしている短いビデオを作成しました。片方のチームには白色のユニフォームをもう一方のチームには黒色のユニフォームを着てもらいました。

そのビデオには途中でゴリラのぬいぐるみを着た女学生が登場し、選手の間に入り込みカメラに向かって9秒間胸を叩き、立ち去るシーンが挿入されています。

そこでビデオを見る実験者に、「白シャツの選手がパスをする回数を数えてください。黒シャツの選手のパスは無視するようにしてください。画面をよく見て空中で受けるパスもバウンドパスも両方数えるのですよ」と強調しました。

その実験の結果には驚きました。なんと半数の人がゴリラに気が付かなかったのです。

目に見える世界のある一部や要素に注意を集中させているとき、人は予期しないものに気づきにくい=それが目立つ物体で、自分のすぐ目の前に現れたとしてもです。

半数以上の人がゴリラを見落としたという事実にもびっくりしましたが、それ以上に興味深かったのは自分の見落としを知ったときの人々の驚愕ぶりです。

この実験を見ても分かるように、何かに集中しているとき人は他のことに意識が行きません。「歩きスマホ」がいかに危険かが分かります。

今、若い人たちの間にお寺で行われている「座禅」に参加する人が多いと聞きました。座禅をしている間はスマホから離れられるので、疲弊した神経が緩まるからだそうです。