４６歳でガンで亡くなった女性の詩が残っていました。
彼女は、説法とはお坊さんを通してお寺で聞くものだとばかり思っていましたが、ベッドに横たわっているときが、説法を聞く特等席だと気づいたそうです。
そこで彼女は、ベッドで気づいたことを大学ノートにびっしり書いていったのです。
彼女が書いた、こんな詩があります。
死の問題は、今始まったのではない
生まれたときから、もう始まっていたのです
点滴棒をカラカラ押して、青白い顔に幼さを残して歩く
９歳の少年に・・・
母親に抱かれ乳を吸う力もない赤ん坊の、下げられた管の数々に・・・
気がつけば、私、４６歳、ありがたい年齢だったのです
死の直前の詩には、ご主人とのことを詠んだ詩もあります。
「お父さん、ありがとう。また明日、会えるといいね・・」と手を振る
テレビを見ている顔をこちらに向けて
「おかあさん、ありがとう。また明日会えるといいね・・」と手を振ってくれる
今日一日の幸せが、胸いっぱいに溢れてくる。
そして朝は
「おとうさん、また会えたね！」
「おかあさん、また会えたね！」と
恋人同士のような暮らしをしています。
振り返ってみると、この４６年間、こんなあいさつを一度だってしたことがあったでしょうか。
みんなガンをいただいて、気づかされたことばかりです。