エジソン 3

母は朝の仕事が済むと、エジソンに読み書きと算数を教える毎日が始まった。
やがて、エジソンの興味が科学に向いていることに気づいた母は、初等物理の本を与えた。
その中には、家庭でできる科学実験が図入りで説明されていた。
エジソンは夢中になって実験に取り組み、掲載されている実験全てをやりとげたのである。

10歳になると化学への情熱も高まり、あらゆる化学製品を集めてビンに入れ、自分の部屋の棚に並べた。
小遣いは全部、化学製品や金属板や針金の購入に使っていた。
実験中に自分の部屋で爆発を起こすこともあったが、母だけがエジソンを理解し、彼の才能が伸びる方向へ押し出してくれていた。

12歳になったエジソンは、貧しい家計を救うために、列車の中で新聞を売る仕事を始めた。
列車はポートヒューロンとデトロイト間を1日1往復する。
早朝に家を出て、深夜に帰宅する毎日。
折り返し駅のデトロイトでは、日中の待ち時間をフルに活用し、図書館に通い、館内の本を1冊残らずすべて読み終えてしまった。
学校嫌いの彼が、大きく変身していったのである。