長い間、わたしはこう思っていました。
「やさしさ、うん、いいね。とても大事なことだ。やさしさとは何か、まずこの仕事を片付けてからじっくりと考えてみようか」
そして、仕事が一段落すると
「やさしさもいいけど、まず自分の生活を安定させることが先かな・・。子供たちが独立したら、やさしさについて学んでみようか・・」
そしてあるとき気がつきます。すべての目標が達成されることなど決してないんだということを。
ひとつの目標が達成すると次の目標を考えます。そして新たな目標に向かってがんばります。がんばっているうちは、目標を達成する以外の面倒なことには目を向けようとしません。
これを繰り返していたら永遠に「やさしさ」に目を向けようという気持ちにはなれないのだと・・。
「どうすればもっとやさしい人になれるのでしょうか? どうすれば寛容で心を開いた人になれるのでしょうか?」
この答えを見つけること以上に人生で重要なことはないでしょう。
いつかこの世とお別れをするとき「ああ、いい人生だった!」と思えるためにも。