ふつうのおばちゃんが

人のご縁ででっかく生きろ 中村文昭

講演活動をしていると、思わぬ形で素晴らしい人々に巡り合います。
その典型が、大分県の肥川ファミリーとの出会いです。
きっかけは、知らない所で人の手から手へ渡っていた僕の講演テープです。
ひょうんなことから肥川千代乃さんがそのテープを手にし、聞いてくれたのです。
ありがたいことに、テープの内容に感動した千代乃さんは、なんとそのテープをさらに100本くらいダビングして知り合いに配りまくってくれたそうです。

千代乃さんは熱心に僕に言いました。
「中村さん、大分県佐伯市で講演してよ。中村さんが来たら、きっと佐伯の町が元気になると思うわー」
これは行かにゃあならんな・・・。
僕は行くことにしましたが、相手は普通のおばちゃんです。
集まってもせいぜい50人くらいだろうと、たかをくくっていました。
そして講演会当日、会場に向かった僕は、信じられない光景を目にしたのです。

会場のホテル近くには、「中村文昭講演会・臨時駐車場」という看板がでかでかと掲げられ、何人かのおばちゃんがきびきびと交通整理をしています。
会場に入ると、500人はゆうに超えるであろう人、人、人。
主婦層から会社員、学生ぽい若者まで、実に様々な人が集まっていました。
ホテルの宴会場にある椅子では足りず、自宅から椅子持参の人まで、立ち見が出るほどの大盛況でした。
しかも、講演会のチラシには、一通りの案内の下に、ひときわ大きな文字で「面白くなかったら正直に言ってください。お金はお返しします」と書かれています。
こうなっては、僕の「なつき癖」が黙っているはずはいません。