がばいばあちゃん

漫才師B&Bの島田洋七さんが、自分の子供の頃のことを書いた「がばいばあちゃん」という本があります。
洋七さんは、家庭の都合で8歳の時、広島の母のもとから佐賀にいるばあちゃんに16歳まであずけられました。
その生活の中で体験した、ばあちゃんへの想いや自分の回想を面白おかしく書いた本です。
少し抜粋してみましょう。

洋七さんは中学生のある時、ばあちゃんに「通知表」を見せながら「1とか2ばかりでごめんね・・」と小さな声で謝った。
すると、ばあちゃんは「何、言うとる。大丈夫、大丈夫、1と2を足していったら5になる!」
「えっ、通知表って足していいの?」
驚いた洋七さんに「人生は、総合力!!」と、ばあちゃんはきっぱりと言い切る。
「みんな偉い人にはなれない。頭を使う人もいれば、力仕事をする人もいる。総合力で世の中は成り立っている!!」

洋七さんは売れっ子だったので、自宅に帰るのは稀でした。久しぶりに家に帰ると、長男の大きな声が響いていました。
「おかん! それ持ってこいや!」
洋七さんは「こいつ、普段俺がいないと思って、母親に偉そうな口をききやがって」と思い、ここはビシッと言ってやらねば!と、長男に負けない大声を張りあげました。
「誰にものを言うとんねん! お前の母ちゃんの前に、俺の女やぞ!!」
ついでに一発、パン!と殴ってやったら、鋭い目で俺を睨みつけた。が、自分が悪いと反省したのだろう、二日もしたら、元の明るい息子に戻った。
「本気で殴られて怖かった」とも言っていた。
「いくら普段留守がちで口出ししないと言っても、こういう時はピシッと言ってやらないとな!」と、洋七さんは悦にいっていた。
長男は間もなくカナダに留学し、洋七さんに手紙を送ってきた。
その手紙の書きだしはこうだった。
「お父さん、お元気ですか? そして、お父さんの女は元気ですか?」

絶句!!