がばいばあちゃん 3

「何もしていないのに、どうして悪く言うやつがいるんやろう?」
洋七さんが、悔しそうに言うのを聞いていたばあちゃんは
「二~三人に嫌われても、反対向けば一億人いる。お前が好きな人がおっても、その人も誰かに嫌われている。お前もいい人やと言われていても、お前を嫌いな人もいっぱいいる。世の中、それで成り立っていると」
このばあちゃんの言葉に、俺はどれだけ救われただろう、と洋七さんは言う。

みんなに嫌われることもないし、みんなに好かれることもないのだ。
「人間、自分のことが一番分からない。人のことはよく分かる。自分では、自分のいい所しか見えていないものだ。だから人を嫌うな。もし、自分を悪く言う人がいても、気が合わんなと思えばいい」