がばいばあちゃん 2

B&Bの島田洋七さんが、小学校二年生で佐賀のばあちゃんの所に預けられたころは、本当に貧しかった。
ごくたまであったけれど、晩御飯のない日もあった。
「今日は晩ご飯遅いな?」と思っていると、ばあちゃんは「さあ、寝よう」と言う。
「えっ? でも、ばあちゃん、晩ご飯は?」
「晩ご飯はな、毎日食べるものと違う・・!」ばあちゃんは、きっぱりと言う。
そんな話は聞いたことがなかったし、お腹はぐうぐう鳴っている。
「だって、お腹空いたよ」
「気のせい、気のせい。さあ、はよ寝よ!」とばあちゃんは、さっさと布団にもぐりこみ、電気を消してしまうと真っ暗で、洋七さんも布団に入るしかなかった。

そして翌朝、お腹ペコペコの洋七さんは「ばあちゃん、朝ご飯は? 俺、ご飯炊くから!」
「朝ご飯? 昨日食べただろ」
いや~な予感がしたけれど頷く洋七さん。「・・・? うん」
「さあ、早う学校へ行け。お昼には、給食、給食。給食食べて、頑張れ」
そしてばあちゃんは、さっさと仕事へ行ってしまう。

「ごめんね、今日は何も食べるものないの! お腹空いたでしょ。ごめんね。ばあちゃんが貧乏ばっかりに」とか、涙ながらに言われたら、それこそ不幸のどん底ではないか。
こんな言い方されたら「俺は不孝だ。チクショー、みんな貧乏が悪いんだ!」と悔しがり、非行に走ったかもしれない。
「晩ご飯なんか、毎日食べなくてもいい!」
「朝ご飯は、昨日食べたからいい!」
「学校に行けば給食が食べられる!」
と、元気に言われる方が、ずーーっと救われた!!