お金持ちになりたい 2

自分に向いている天職で、たゆまぬ努力をし、人々全体の生活のためになった結果としてお金が儲かり、富裕になることは、天職を与えた神の栄光を証明することになるので良しとされました。
「働くことが人を不幸な状態から解放し、幸福を与える」と信じているプロテスタントの人々は、まとまったお金を蓄えてもなお、むやみに浪費しないどころか、気を抜くことなくその利益を最大化しようとしました。
勤勉・倹約・投資によって、お金が雪だるま式に蓄積されていったのです。

利益を追求することを禁じたキリスト教本来の姿に立ち返ろうとした結果、「天職」という人々のために禁欲的に労働へと駆り立てるモチベーションになり、お金が蓄積されていったのです。

では私たちは、どのようなモチベーションをもったら、お金持ちになれるのでしょうか?
私たち人間を突き動かすエンジンがあるとしたら、それは「お金」そのものではありません。
私たちが勤勉になれる動機をお金以外に見出したのがウェーバーでした。
「予定説」のように、「神に救済される人間は最初から決められている」ことを信じ、それをモチベーションにしたプロテスタントの人々とは違い、私たちは1信教を持たない人がほとんどです。
そこで私たちは、1個人としてのモチベーションを確立する必要があります。

それは「他人への劣等感」なのか、「自分を軽んじた他者へのリベンジ精神」なのか、「漠然とした不安」なのか、「人が嫌がる面倒な作業を苦にならない情熱」なのか、それは人それぞれでしょう。
情熱的なモチベーションのきっかけは何でもいいですが、自分の「天職でたゆまぬ努力をし、人々全体のためにした結果」としてお金が儲かり、裕福になることが基本だということです。