ありすぎても困る

みっともないお金の使い方 川北義則

「父と話をするまで、自分がどれだけ稼いでいるかなんて考えたこともなかったの。今はお金がありすぎて、どうしたらいいかわからないわ」
映画「ハリーポッター」シリーズに出演して人気が出た女優のエマ・ワトソンは、20歳にして27億円もの資産家になった。
はたから見たら羨ましい限りだが、実際にその立場に立ってみると、違う気持ちになるらしい。

どんなことも、過ぎたるはおよばざるがごとしなのだ。
ビル・ゲイツやウォーレン・バフェットといった富豪たちは、同じ富豪仲間に呼びかけて、資産のかなりの部分を「寄付する団体」を設立した。
アメリカでは、たった1%の人間に富の大半が集中してしまったと批判が高まっているからでもあるが、今の富豪はほんとうに、ありすぎて困るということを実感しはじめているようだ。

「宝くじで3億円当たったらどうするか?」というアンケート調査がある。
その答えのトップは「将来のために貯金する」だ。
二番目以降は「家・マンションを買う」「借金を一気に返済する」が続く。
また「宝くじでいくら当たったら会社をやめますか?」という質問には、約半数が「いくら当たってもやめない」と答えていた。