「老い」を「病」にすり替えないこと

やはり死ぬのはがんでよかった 医師 中村仁一

年寄りは、どこか具合が悪いのが正常なのです。
従って「老い」を「病」にすり替えないことが大切になります。
以前に比べて、できなくなったことに拘らないことも、還りの人生を肯定的に考えるよすがになるでしょう。

検診や人間ドックを受けても、必ずしも元気で長生きできるという保証にはなりません。
健康づくりになるどころか、むしろ病人づくりになっているといっても過言ではありません。

自然死は、一言でいうと餓死することです。
死に際は生命力が衰えているので、食欲もなければ、のども渇きません。
そして脱水状態になると、意識レベルが下がり、脳内麻薬のβエンドルフィンが分泌され、うとうとした、いい気持ちになるのです。