「なぜ、僕を生んだんだ」

親のこころより 63歳女性の投稿

次男は、大学受験の頃、ストレスと疲労でよくイライラしていました。時には母である私に「なぜ、僕を生んだんだ!」と迫ってくるときもありました。
次男が結婚して1年後、妻が妊娠したと電話してきました。
近頃は、父となる人は産室に入り、ともに出産の体験をするのだと聞きびっくりしました。
「私の出産のときは、兄ちゃんの時も、あなたの時も夜で、お父さんは家で眠っていたのよ」と笑って話したりしていました。

女の子が生まれたとの知らせがあり、東京へ主人と新幹線で駆け付けると、病院の産室の前で、次男が疲れた顔で待っていました。
「難産だった! 可哀そうだった!」と涙を流しながら話すので、「母親になるときは激痛に耐えて子供を産むんだよ、あなたの時もそうだった・・・」と冷静に答えると、「ありがとう! ありがとうございました!」と、頭を垂れたのにはびっくりしました。

あの受験の時に「なぜ生んだ!」と迫った子が、妻が苦しみの中から女の子を産んだことで、新たに母への感謝の言葉となったのでしょう・・・。