ホスピスケアの現場から 柏木哲夫
私が皆さんによくアドバイスするのは、1年に1回、たとえば誕生日に自分の死について考えてはどうかということです。
学校や病院、企業では、1年に1回防災訓練を行いますが、火事は必ず発生するわけではありません。
しかし、死の発生率は100%です。
それなら、1年に1回ぐらい死に備える日があってもいいのではないかと思います。
「ちゃんと死ねるかな・・」とか、家族のこと、財産のこと、やり残したことなどを考えておくべきだと思っています。
またもう1つお薦めしているのは、結婚記念日に夫婦でがんについて語り合うことです。
夫婦のどちらかががんになる確率はほぼ100%です。
ですから、1年に1回ぐらいは、がんになったらどうするのか、どこまで治療をするのか、。
あるいは、どうしても駄目だったら家で死ぬのか、ホスピスで死ぬのか、病院で死ぬのか、告知はどうするのか、などを話し合っておいた方がいいのではないでしょうか。