生きがいの力 柴田高志
また、現場復帰してみたら、手術前は「自分がやらなくちゃ」と思っていた2つの施設が、結構きちんと活動しているんですよ。
今まで何を力んでいたのかな、と肩の荷がおりたような気持でした。
こうして2つの施設が軌道に乗り、これで、私が当初考えていた「ゆりかごから墓場まで」の健康管理という、医療福祉活動の目的が達成されたと思いました。
長期入院の方にとって、病院は治療の場である以前に生活の場です。
動けない人にとっては、畳1畳ぐらいのベッドの上が生活空間です。
その毎日の生活に不自由さや不満を感じると、だんだんマイナス思考になり自然治癒力が落ちてきます。
これでは、いくらいい治療をしても、なかなか病気は治りません。
ですから、まずは生活を支える、すなわち基礎に福祉の感覚を持ち、その上で医療を施そうと思いました。