関大徹 曹洞宗住職の書より
独り身のわたしは、死期が来れば自分の死期だけを見物しておればよい。
後に心残りはない。
それに引き換え、家庭の主たる身は、死期も来ぬ前から死ぬことを心配してござる。
食べたい美食を我慢し、したい贅沢も辛抱して、ひたすら蓄財貯金に励むのは、みんな「もしものことがあったら・・・」という不安のためであり、その上健康管理にあけくれる。
食えなんだら飢えるのであり、飢えれば死ぬまでである。
実に軽々と生きてこれた。
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