過去ー現在ー未来

今日が人生最後の日だと思って生きなさい 小澤竹俊

自分にはお金も才能も、愛し愛される人もいない、自分の人生は幸せからは程遠い、そんな風に思いながら日々を過ごしている人は、もし自分に残された時間が少なかったらと想像してみてください。

人間は誰でも、過去ー現在ー未来という、時間の流れの中で生きています。
過去の出来事、過去に得たものを土台に、未来への夢や希望を抱きながら、現在を生きているのです。
過去に大きな挫折を経験し、それを今でも引きずっている人、過去に確かに大事にされた経験がない人、過去の自分を受け入れられない人などは、なかなか現在の自分に自信が持てず、安定した未来を思い描くことも難しいでしょう。

一方、未来に夢や希望を抱けない人も、現在をしっかり生きることが難しくなります。
たとえば将来の夢に向けて、一生懸命勉強に励んできた人が、あなたに残された時間は、後、僅かですと言われたとき、果たして勉強を続けるでしょうか。
数年後に自分の家が欲しいと貯蓄に励んできた人は、そのまま貯蓄を続けるでしょうか。
また、数か月先の旅行や観劇などの計画を立てることも難しくなるでしょう。

未来を失うと、多くの人は、現在目標にしている夢や、今を生きる力を与えてくれる楽しみも奪われてしまいます。

そう考えると、「明日ご飯でも食べに行かない?」「今週末には桜も満開だからお花見に行こう」、「来月公開の映画のチケット、取っておいたよ」といった会話を交わせるのは、とてつもなく幸せなことだと分かります。
自分には明日がある、と無条件に信じ、明日以降の自分に思いを巡らせることができているからです。