資産のピークをいつにするか考える

ゼロで死ぬ ビルパーキンス

人生を最大限に充実させるという目標に向かい、資産のピークをいつにするかを考えます。
ピークは、いくら貯まったかという金額ではなく、健康状態を表す生物学的年齢をもとに決めます。
金額を目標にピークを決めるべきではありません。
その理由の1つは、この手の目標を設定した場合、それを十分だと感じるのは心理的に簡単ではないからです。
リタイア資金の目標が2,000万円だとします。
もしこの目標を達成しても、今度は2,500万円貯めればもっといい生活ができるはずだと考えるのは目に見えています。
これが金額を目標にしてピークを決めることの問題です。
目標は、どんどん先に移動していきます。
それを無自覚に追いかけていくうちに、人生を充実させる経験をする貴重な機会を逃してしまうことになります。

経験を楽しむには、お金だけでなく時間と健康も必要です。
老後資金を必要以上に増やそうと働き続けると、お金を得られてもそれ以上に貴重なものを逃してしまうことになります。
老後資金が2,500万円あれば、確かに2,000万円よりも良い生活ができるかもしれません。
ですが、その500万円を増やすためにリタイアを先送りにし、あと5年間働いたとします。
その5年があれば、たとえ老後資金が500万円少なかったとしても、たっぷりとその時間で豊かな経験ができたかもしれません。
先送りしたその5年で、当然体力も落ちますので、リタイアしてからできることも限られてきます。