パニック障害、僕はこうして脱出した 円広志
以前、本番前、あるタレントに耳元でこう囁かれた。
「つらかったら、薬あるから」
彼も常時、持ち歩いていたのである。
誰もがそれなりに悩みを抱え、自己防衛しているのである。
こんな話をしたことがある。
ある芸人が友人と食事をしていたとき、こうつぶやいた。
「今、地震あったよね」
「・・・・・?」
実はこの芸人も、パニック障害であることを公表している人物の一人。
食事中、揺れを感じたのは僕と同じ、体がふらついたということだろう。
彼は飛行機が大の苦手だが、仕事柄海外出張も頻繁なので避けられない。
搭乗中、両足を踏ん張り、両手に力を入れて必死で我慢している姿が何度も目撃されている。
あるバラエティー番組のパネラー3人ともパニック障害だ。
そのため、本番前に椅子が揺れないように、しっかり固定させるなどセットに入念なチェックをする。
僕と同じ薬を飲んでいて、よく薬を借りに来るタレントもいる。
一方、発作が起きて救急車で病院に運ばれた女性タレントもいる。
どうやら僕のやっている仕事は、この種の病気と縁があるのかもしれない。